UPSの症状は、バッテリでもAC電源でも、ONスイッチを5秒くらい押して起動しようとしますが、ピューという音がするだけで動作しません。
まず、バッテリーDC電圧をスイッチングしているMOSFETを確認すると、一つショートしているのがありました。同じMOSFETのゲートに繋がっている30OHMのヒューズ抵抗が高抵抗を示してました。これらを交換しましたが、同じ症状です。ただ、MOSFET段は動作しているようです。回路を2層基板から起こしてオシロスコープで信号を追っていくと、2系統MOSFETの一つのゲート信号が異常でした。PICコントローラの出力端子での異常です。PICの動作がおかしいという事も考えられますが、もう少し違う原因を疑いました。
コントローラは、バッテリのDC電圧をMOSFETでスイッチングして、昇圧トランスで希望の商用交流電圧を作ります。更に、このAC電圧をコントローラでモニターしながら安定した電圧を作ります。というわけで、このフィードバックを追っていくと、PICコントローラのアナログ入力が常時3OHMになっていました。つまり、PIC内部の回路が壊れていたのでした。
PICは手に入りますが、そこに書かれているデータは手に入りません。このPICはOTPなので、恐らくプロテクションがかかっているでしょう。つまり読もうとすると自動的に消去してしまうのです。インターネットで補修部品、データを探しましたがありませんでした。というわけで、この修理は、故障個所は分かったものの、部品が手に入らないため修理できませんでした。残念!