2019年9月30日月曜日

オーディオアンプ NAD S-300の修理。

 冷えている状態から電源オンにして30分くらい経つと、電源ランプの点滅、つまりプロテクト動作になってしまうという症状です。
 
内部を見ると、メイン基板の左右チャンネルのGain Stage部分のトランジスタ周辺が高温にさらされて基板や抵抗の色が変わっています。
トランジスタは熱くてさわれません。様々な条件で、いろいろな電圧等を観測しました。問題はCH L のGain Stageにあることが分かりました。
 Q309(ZTX753)のhfeが300位になっていました。たぶん、他のトランジスタも熱によって変質していると思われます。
 そうこうしているうちに、インターネットでNAD社発行の設計変更情報を手に入れました。R311,R313,R312,R314を180ohmに変更して電流を少なくし、発熱を抑えるとのことです。また、トランジスタの交換も必要なようです。そんなわけで、左右チャンネルについての改造をしました。Q307,Q311,Q309,Q313,Q303,Q315,Q305,Q317,Q304,Q306,Q312,Q308,Q314,Q310,Q316,Q318のZTXシリーズのトランジスタを交換しました。
 発熱は、すこしなら触ることが出来るくらい抑えられています。終段のトランジスタのアイドル電流を31mVに調整して、修理完了しました。




2019年9月14日土曜日

オーディオアンプ Pioneer M-73 の修理。

 Pioneer M-73はClass AとBを切り替えられるオーディオアンプです。
左チャンネルの出力トランジスタなどがないけど、右チャンネルは動作するという事でした。内部を観察すると、かなり修理の手を入れてありました。
 左チャンネルに関しては、次の部品を装着して動作しました。

-TH601:AEX-002....R25=29ohm.(このPTCは入手できなかったので、ほぼ同様仕様のSMD部品を工夫して利用しました。)
-Q7,Q8:2SC3281
-Q5,Q6:2SA1302.
-R638,R639:270ohm1/4w.
-R647,R747:2x0.27ohm5w.


 バイアス電圧の調整をする段階で、右チャンネルのバイアス電圧が異常でした。クラスAにすると0Vのままです。
 なんと、PS Assembly基板につながれているケーブルが逆に差し込まれていました。正しい接続にするとバイアス電圧が正常になりました。いろんな部品が壊れていなかったのは幸いでした。
 
 さらに、電源オンやモード切替の際に、スピーカに異常電圧がかからないようにするリレー回路が遅延動作しませんでした。PS Assembly 基板を調べると、C106の正極とQ104のベースをジャンパー線で短絡してありました。回路図で確認すると、確かに短絡してあります。でも、回路的に動作しそうにありません。そこで、ジャンパー線を外してみると、正常に遅延動作するようになりました。誰かが、回路図どうりに変更したのが、悪かったようです。

 バイアス電圧を調整して数日間、動作しています。再生スピーカが貧弱なせいか、クラスAとBでの違いが判らないのは残念です。