2016年12月31日土曜日

ギターアンプRoland Jazz Chorus JC-120の修理。

Roland Jazz Chorus 120 (1982年型)。 持ち主は新品で買った当初から、今でもお気に入りです。いい音ですし、コーラス機能はユニークです。

ボリュームと入力ジャックのガリ音が症状です。ヒスノイズも気になるようですが、もともとこのモデルはヒスノイズレベルは高いようです。



-Pote:  時々ガリるという入力回路のボリュウムは1Mオームという高抵抗。カーボン等は痛んではいない。使えるボリュウムが見つからないのでCh-1,Ch-2のVR=1MBを分解掃除する。

-Jack:  入力Jackを分解掃除して使われていないJackと交換する。



 
-ヒスノイズ:
 ボリュームが最小の時は聞こえない。無入力でボリュームを上げるとヒスノイズが聞こえる。   CH1,CH2両者同じ。 MainInの入力端子で、メインアンプを試すと聞こえない。
>>>プリアンプでノイズが発生しているようだ。電流雑音を減らすために、カーボンの高抵抗を中心に金属皮膜型、にしてみる。
    CH-1:R5=1M,R7=220K,R36=100K,R10=1M,R14=220K,R15=1M,
    R19=220K,R20=220K,R24=1M,R22=100K,R1=68K,R2=33K,R3=6.8K,
    R4=1K,R6=1K,R9=12K,R43=1K,R16=1K,R13=4.7K,R8=33K,R17=2.2K,
    R11=47K,R12=12K,R18=120,R21=1K,R23=12K
      CH-2: R1=1M,R6=220K,R11=220K,R12=220K,R13=470K,R14=1M,
    R21=220K,R22=1M,R40=1M,R50=220K,R100=220K,R99=1M,
    R67=1M,R42=220K,R43=220K,R47=1M,R53=100K,R56=1M



>>>Ch1のプリアンプで2SK118の代わりに2SK30が付けてある。性能の良いオリジナルの2SK118を付ける。


>>>念のため+30V発生回路の電解コンデンサを交換する。
      CH-2: C13=1000u/25,C8=47u/35


===多いところで10dBSPL程度、ノイズレベルが低減した。

















Input volume zero:Before.

















Input volume zero:After.

















Ch1Input 33Kohm:Before.


















Ch1 Input 33Kohm:After.

















Ch2 Input 33Kohm:Before.

















Ch2 Input 33Kohm:After.


















Ch2 Input Guitar:Before.
















Ch2 Input Guitar:After.

2016年12月25日日曜日

ACER TravelMate 6493のBIOSが起動しない。

 ノートPC、ACER TravelMate 6493が、起動スイッチを入れた後、起動ランプとファンの回転を2秒した後、起動しません。BIOSが起動していないのです。
古い機種なので、 BIOSデータ保持用電池が弱っているようです。違う電池しか無かったので、無理やり電線を電池に半田付けして基板に接続しました。CMOSリセットをすると、BIOSが起動しました。メッセージに従いF2キーを押して、BIOSメニューに入って時計などを設定し保存します。OSが起動したのですが、タッチパッドが機能しませんでした。ハードが悪いのかとも考えたのですが、Fn+F7でタッチパッドを起動して解決しました。これで、修理完了、普通に起動し動作しています。

2016年12月22日木曜日

Galaxy Note2のGPSについての修理。

Galaxy Note2(N7100)のGPS信号がうまく受信できない、という症状です。たまには、受信できることもあるようです。見たところ、アンテナの接点やケーブルは問題なさそうです。怪しいのは、テスト用の同軸ケーブル用ジャックです。テストなんてしないのでジャックを基板から外して、プリントパターンをジャンパー線で繋ぐことにしました。
結果、確実にGPS信号を受信できるようになりました。ナビにも使えるようになりました。


2016年11月10日木曜日

ワインのコルク栓で電源ボタン

タワー型PCの修理で電源ボタンがありませんでした。ボタンがないと深く押しすぎて、そのうちスイッチが今回のようにはずれてしまうでしょう。 いろいろ考えた結果、ワインのコルク栓を使うことにしました。工夫所は、直径をどのように合わせるかです。コルク栓を電子レンジで最適に加熱すると、熱膨張によりきれいに大きくなります。これを適当な長さに切って、スイッチに触れる部分にプラスチックシートを張り付けて、スイッチに接着して完了です。自分としてはいい出来です。お客さんが好むかどうかはわかりません。まあ、この部分は料金をいただきません。

2016年10月2日日曜日

Samsung TV LE37A336J1Dの修理

LCDテレビSamsung TV LE37A336J1Dの画像の色が滲んで見えたり、ほぼ真っ白になるという症状です。典型的なTcon基板上のバッファーLSI、AS15の故障です。
中を見ると、電源基板がゆがんでいます。フレームが曲がっていて、時とともに基板が歪んだようです。どんな理由でフレームが曲がるのでしょうね。テレビは専用ホルダを使って、壁に掛けて使っていたようです。動作には問題が無いようです。スイッチングレギュレータ回路の1000uFのコンデンサ2個が膨らんでいたので交換しました。Tcon基板上のLSI、AS15Fも交換しました。基板の下から遠赤外線のヒータで加熱もしているので作業が確実です。
 これで直りました。SHOP MODEになっていて、すぐに画像ダイナミック設定になって画像が不自然でした。HOME MODEにして普通に家で見れるようになりました。










2016年6月30日木曜日

Marshall JCM900 4100 エレキギターアンプの修理。

 以前、時々音が小さくなるという修理を済ませたアンプです。今回は、音に迫力がないという症状です。ギターをつないで試すと確かに迫力がありません。特に低音に力を感じません。100Hzのゴーストノート(ハム音)も常に聞こえます。
 搭載されている真空管は、SOVTEKの6L6WGCと5881WXTの2種類でした。頭部の色はほとんど黒です。劣化しているようです。


















回路図は4100−60−02 ISS14を使います。V3はLongTailタイプのPhaseInverter用の真空管です。固定バイアス方式で1つの可変抵抗で電圧を調整しています。
 真空管端子の電圧を測ってみました。また、V3のVpは280Vで、その出力波形BL1とBL2はきれいに反転していました。

特に問題は無いようです。
 信号を入力して、波形観測をしました。入力信号としては、エレキギターの通常出力信号をオシロスコープで見て、100mVppのサイン波を使いました。インターネットで調べたら通常、20から30mVrms ということなので良いでしょう。

 出力が出ていないことがわかります。真空管1種類毎にIpを測ってみました。Ipの測り方については、いろいろあるのでしょうが、大多数がやっているように、カソードを使いました。また、カソード端子には、ヒューズが付いています。電流計を入れたり、ヒューズを外したり、4種類位の方法があります。大きな測定値の違いが無かったので、今回は多数が実施している1ohm抵抗を入れて電圧計で電圧を測る方法にしました。
Vbiasは-50Vにしました。
5881WXT の場合、Ipは31.2mA。
6L6WGCの場合、Ipは6.6mA。
6L6WGCは特に少ないことがわかりました。5881WXTも、頭部の色からして劣化しているのでしょう。
そこで、真空管を交換することにしました。候補としては、6L6の中で耐力がありそうで、評判も良いTAD RT214 6L6GCーSTRを選びました。RT214 は4本とも性能が近いことを示しています。
ついでに、電源回路の平滑コンデンサ2本、とバイアス電圧発生回路のコンデンサも耐圧の高いものに交換します。
信頼の置けるThomannというドイツの音楽関連のオンラインショップから、届きました。
コンデンサも交換しました。
早速測定です。
 バイアス電圧は、Ip40.7mAとなった設定にしました。これは、真空管特性から計算した値を参考にしました。インターネットで探したら多数が採用している計算式です。
Low,,,(30x500)/455=32.97mA 
High,,(30+5)x636/455=48.9mA

結果的には、High Modeで約100Wになっているし、各値もだいたい良さそうです。フィラメント電圧が高めですが、電源トランスを交換することは考えませんでした。室内電源電圧はAC234Vでした。 電圧制御回路は無く、トランスから直に取っています。室内電源電圧の変動をそのまま反映しているようです。
実際にエレキギターを繋いで試しましたが、お客様も納得できる音になりました。
今回は、はじめて真空管ギターアンプを修理しました。いつもLSI、トランジスタを扱っていたので、苦労する事がたくさんありました。 次回からは、ダミー抵抗もエレキギターもあるので、速やかに修理できるでしょう。













2016年6月2日木曜日

ドラム式洗濯機Bluesky BLF1006の修理。

ドラム式洗濯機Bluesky BLF1006が、脱水がうまく出来ないという故障です。
洗濯物を入れて30分コースの自動洗濯をしてみました。水の給水、停止、排水は正常です。洗濯中動作が遅いようです。脱水では高速回転をしません。きちんと脱水出来ずに一応プログラムが1時間位かけて終了しました。制御基板を見ましたが目視では異常ありませんでした。モータのカーボンブラシはまだまだ使えます。ベルトの張りは正常です。モータへのケーブルも正常です。一応モータは回転しているので、トライアックは動作しているようです。ただ、そのエネルギーが足りないようです。そこで、モータドライブ回路の高圧フィルムコンデンサをはずして容量を測ってみました。二つとも容量が減っています。47nFについては減少が顕著です。これでは、モータを力強く駆動できません。
緑色のペンで記したのが実測値です。
早速、いつものパーツ屋に行き、運良く両方のコンデンサを手に入れました。耐圧はより高めです。翌日、お客様の家で、新しいコンデンサを組み込んだ基板を洗濯機に付けて、洗濯物を入れて、30分コースを試してみました。洗濯時も力強く回っています。脱水も力強く高速回転しました。30分で自動洗濯を終わり、洗濯物は良く脱水されました。
お客さんも僕もうれしかった。

2016年5月31日火曜日

ipod Classic 7th Thin 160GB A1238の修理。

ipod Classic 7th Thin 160GB A1238の修理です。

症状は、正常に起動しません。リセットしても、リンゴマークのままです。サービスモードで自己診断をすると、Pending sectorがありrelocateされていません。
また、USBをPCにつないでも認識されません。持ち込まれた充電器では充電できません。
内部を観察しました。すでに開けられています。かなり強引に開けられたようで、いろいろなところが曲がっていたり、傷ついたりしています。また、海辺の砂が内部にあります。バッテリーは少し膨らんでいます。髪の毛も残っていました。





ロジック基板をはずしてよく観察すると、スルーホールを含めて酸化している部分がありました。



早速リワークしましたが、症状は変わりませんでした。
ここで、見積もりをすることにしました。HDD,バッテリー、ロジック基板の交換ということにしました。了解を受けたので、よく考えて、バッテリーとロジック基板(820-2437-A)を取り寄せました。しかし、到着した中古ロジック基板は、間違った修理をされていて使えません。遅く届いたので、クレームできる期限を過ぎていました。そこで、到着したロジック基板をリワークしたら、幸いに動作しました。


PCがUSBを経由してipodを認識したので、ITUNE を使って初期化しました。すると、HDDでもpending sectorが無くなりました。
HDDの診断をもう少し深くしたいので、このHDD(Toshiba MK1634GAL)のインタフェースであるZIFコネクタとSATAとのアダプタを用意して、HDDを診断して、Low Level Formatもしました。不良セクタはあるものの、まだまだ使えるようです。ITUNEを介して、音楽、ビデオ、写真を96%くらい取り込み再生を繰り返しましたが正常に動作します。ただ、持ち込まれた充電アダプタでは充電できません。PCや手持ちの充電器では充電できます。調べて見ると、持ち込まれた充電器は12W出力対応であり、このipodには使えないようです。このipodには、10Wが最大許されているようです。そこで、10Wのものを取り寄せて試したところ、正常に充電しています。
いろいろありましたが、修理完了です。